日本のアロマ « 聞香 »を たのしむ

なんなり聞香、自分時間♪

五感を研ぎ澄ませ、香りのあじわいを はんなり自分流で楽しむ聞香♪
日本のアロマセラピーの聞香も精油を使うアロマセラピーと同様に心と躰を癒します。
ネイチャリスト的に、日本の香りの療法に秘められている (道具の扱い、丁寧で美しい所作、人を思いやる心
を一緒に楽しみます。

香の味わい (六国五味)

聞香で使われる香りは香木です。香木の繊細な香りを鑑賞するのが香道の極みとされています。
木の分類や鑑賞の基本となるのが『六国五味』です。香木を産地から6つ分類し5つの味で表現します。

<6つの国>

  • 伽羅 (キャラ) —- 東南アジア(ベトナム) 
  • 羅国 (ラコク) —- 東南アジア(タイ、マンミャー) 
  • 真那可賀 (マナガ) —- マレー半島 南西(マラッカ) 
  • 真南蛮(マナバン )—- インド南西(マンバール)
  • 寸聞多羅 (スモタラ) —- スマトラ島(スマトラ島)
  • 佐曽羅 (サソラ) —- インド チモール島(サスパ-ル)

<5つの味>

香りは嗅ぐではなく聞くと表現します。
微(かすか)な香り、微かに燃ゆる音、香りの揺らぎ、などを目を瞑り心を傾け静寂の中に感じ取るのです。なので「聞く」という表現がふさわしいのでしょう。
香りを聞き分け5つの味 ➡ 苦 (にが) さ、甘さ、鹹 (しおから) さ、酸 (す) っぱさ、辛 (から) さ、で表現します。

  • ⽢(かん)—-蜜を煉る香の甘さ  
  • 酸(さん)—- 梅のような酸っぱさ
  • ⾟(しん)—- 丁字いがらきようなからさ
  • 鹹(かん)—- 汗とりのような塩からさ
  • 苦(く)—- 薬を煎じたような苦さ


香を炊く(道具を使って香を燻す)

<火道具>

1. 火筋(こじ)—-火箸のことで、炭団を入れたり、灰に箸目をつけるために使用します。
2. 灰押し(はいおし)—-香炉の中の灰を、押して整える道具です。
3. 羽箒(はぼうき)—-羽で作られ、香炉の中散らばったの灰を落とすのに使用します。
4. 銀葉はさみ(ぎんようはさみ)—-銀葉と呼ばれる雲母板をつかむ道具です。
5. 香匙(こうさじ)—-こうすくいともいい、香木をすくうときに使用します。
6. 香筋(きょうじ)—-香箸ともいい、香木をつかむときに使用します。焚いて
7. 鶯(うぐいす)—-香を焚いた後の香包みを刺し止めておく針のことです。

ひとつひとつ道具を使い、楽しみながら、火を起こして、香を焚いていきましょう。
※本来は、こういった7つ道具が必要ですが家で気軽に楽しむには、長湯のみ、灰、銀葉さえあれば楽しめます。


香炉の扱い (丁寧に美しい大人の所作)

  • 左手に上に香炉を水平に乗せる。親指を香炉の縁にかけてしっかりと持ちます。
  • 右手は香炉をかるく覆い、親指以外の指を揃え香りが逃げないようにします。

※手先だけではなく、躰ぜんたいをで香炉を扱います。この時に丹田を意識します。
 自分のからだの中心軸(水平面、矢状面、前額面の重なるところ)を使います。
 

香の聞き方 (ルールは簡単♪ 所作は美しく♪)

  • 背筋を伸ばし左手の上に香炉をのせ、右手で軽く香炉を覆います。
  • 香炉が傾かないように注意しながら香炉を顔に近づけます。
    背中、わき、肘に気を配ると美しいしぐさが生まれます。
  • 右手の親指と人差し指の隙間からゆっくりと香りを込みます。
    視線をの置く場所にも注意をしましょう。
  • 息を吐くときは香炉に息がかからないように香炉の脇へ吐いてください。
  • ×3回繰り返します。息を3回吸い込むことを「三息」と言います。
    ルールはそれだけ。
  • 心を落ち着けて、五感を研ぎ澄ませゆっくりと香りを聞きましょう。
    この時に気を付けてほしいのが、必ず「三息」を守るということ。
  • 聞き終わったら、次の方へ廻してください。

    一人が何度も香りを聞くと、末席の人まで良い香りが残らないので注意してくださいね。
    ※聞き筋 聞き筋の方向を相手の正面に…流派により異なる

マインドフルネス瞑想として

 今を生きる!いまに心をつけると「念」
 Search Inside Yourself 「己の内を探れ!」マルチテスクではなく
 シングルタスクであることが人生の質を良くします。
 静寂の中に香を聞くことは、マインドフルネス瞑想になります。
 シングルタスクそれは、すなわち念を入れて生きる。ということに繋がります。