お正月の床飾りも‟香り”が上位!

お正月は、新しく迎える一年間を見守ってくださる年神様を迎えるために三飾りをします。

‟門松“  ‟しめ縄”  ‟床飾り“ です。ここでも 先人の知恵と心と 自然の恵みが 詰まっています。

芳香療法や植物療法を行う、お客様、患者様、利用者様など人と関るならば、根本となる知性です。
知っておくと良いでしょう。(ちょっと根気が要るかもしれませんが最後まで読んでみてください)

年神様が ご神木の門松に舞い降りて、玄関のしめ縄を通って

お床に来られて、香炉を通じて

お鏡にお着きになる、と考えられています。

日本でも香りは、邪気をはらい、辺りを浄化し、心を癒すとして、神をお迎えするとき、故人への弔い、仏の供養、客をもてなす時などに使われてきました。 特に、心をつくし手厚いもてなしには香りは不可欠です。

松飾り(門松)

門松は神様の依り代で、「ここに降りてください」という目印でもあります。神の依り代として、松がよく用いられています。(依り代とは、神様がまず最初に候隆される(宿る処)ところ)

門松は、向かって右(上座)に雄松(黒松)、向かって左(下座)に雌松(赤松)がおかれます。

松竹梅は、寒い冬でも葉が枯れないため縁起が良く「歳寒三友(厳寒三友)」と称されます。
また、 松は「陽木の長」常緑で青々とした永命の象徴

は「陽草の長」まっすぐ伸びる強い志の象徴

は「陽花の長」早春に先駆けて咲く開運の象徴と考えられています。

しめ飾り(しめ縄)

しめ縄は、神様の通り道(潜る処)、入り口「結界を張る」という意味があり、魔よけや俗世を区別し、清らかな神域である境界線という意味があります。

しめ縄には大麻が使われます。
そもそも麻には、穢れを祓う(けがれをはらう)という意味があります。邪から身を守り、ご縁を紡いでくれるんです。

出雲大社は、しめ縄にマコモの葉を使っています。「神の宿る草」として「万葉集」や「古事記」に登場しています。古くから、浄化、毒素排出の効果があると 言い伝えられてきました。

しめ飾りには、ウラジロ ダイダイ ユズリバ が使われます

ウラジロ
裏は心を表すとされていて、葉の裏が白いことから「清らかな心」を表します。
左右に2枚の葉が広がることから「夫婦円満」、「共に白髪の生えるまで」という願いがこもっています。

ダイダイ
木から落ちずに何年も大きく育ち、1つの木に何代ものダイダイが実ります。このためダイダイは「不老不死」とも「家が代々繁栄」の願いが込められています

ユズリバ
新しい葉が成長すると、古い葉が黄色くなり落ち、次の世代へ「譲る葉」といわれ
「親から子への世代交代」の願いが込められています。

床飾り

床は、神様を迎える(もてなす)処です。

掛け軸を飾

◎福寿の意味の書や 文言

◎七福神や 日の出 など 

◎登り龍  蓬莱山

...など 新年にふさわしいおめでたいものを飾ります

三具足

日本には 神様のお迎えや、お客様のおもてなしには不可欠な三具足というものが良く使われています。

三具足は、そもそもインドの客の持て成しが基本で仏教とともに中国に伝えられ、飛鳥、奈良時代に仏教文化とともに日本にも伝わったようです。

◎灯りで辺りを明るくし   ◎花で部屋を飾り   ◎香りで心を和ませる...これが接客の基本です!!

飾る位置 

上座(向って右 又は入り口から遠い場所)下座(向って左 又は入り口に近い場所)
日本では、こちらも中国からの慣わし(孔子の言葉「天神、南方を向き 東方に座す」という言葉に倣ったといわれている)が基になり、目上の方を招く場所(位置)の上座にお通しし、そして自分が下座に位置することで相手へ「あなたの事を大切に思っています」という思いを表現します。お正月三具足の場合も同様に備える位置に気を配ります。

①香りが上位で香炉が真ん中 

②次いで 灯りで燭台が向かって右  

③最後が 花の花器が向かって左

特に密教は様々な仏具を使い分けますが、やはり三具足は基本になっているようです。

基は五具足でしたが、時代とともに略され三具足となり、そして禅宗の鎌倉時代に、恩師や祖師の絵「鎮頂」の前に三具足だけを飾る形が流行り今日に至ります。

仏教をはじめ、茶道(献茶式の飾りや法事茶会)や華道・香道にも取り入れられています。

●●正月床飾りの配置●●

<香炉、鏡餅、祝い花の場合>
①香りが主で、香炉が真ん中
②次いで「お鏡」鏡餅で向かって右「上座」
③そして祝い花、向って左(下座)です。

<鏡餅、屠蘇、祝い花の3具の場合>
①鏡餅(中央) ②屠蘇器(右) ③祝い花(左)

<鏡餅、祝い花の2具の場合>
①鏡餅 (向かって右)②祝い花 (向かって左)

鏡又は鏡餅

神様が、お越しになり、滞在される処、宿る処、化身と言われます。

お年玉はここから来ています.

歳神様の魂がお持ちに宿り、その餅を配ったことが お年玉の始まりです。

香炉

清らかな薫香を神が通って、鏡に座します。
※香りは浄化の意がある為、最高位になるのです。

祝い花

松竹梅 福寿草 千両 などで場を清め彩ります。

(※掛け軸と同じものは飾りません)

屠蘇

屠:退治する 蘇:病を起こす悪魔

という意味があり屠蘇散(薬草の浸出液)に 無病息災を祈ります。

まとめ

神仏を崇め自然を尊ぶ思いを表現し、無病息災を祈願し、心と身体と魂を癒し生活を彩り、丁寧な暮らしをおくる。
まさに先輩たちが残し受け継がれてきた日本の文化と自然療法です。

お正月の三飾りでさえ、これだけ多くの小見が含まれています。

日本の文化の素晴らしさを改めて誇りに思